『ヒミツ』第９巻 44 WQライフ 07
44 WQライフ 07
出産時のようすを、こう書いた人がいた。
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わたしの意識が肉体からほんのわずかの距離に心地良く漂っている最中、
遠い宇宙の彼方から「オギャー、オギャー」という声が響いてきた。
私は静かに自分の仲間が宇宙を越えて地球にやってきた事を感じていた。
生命は宇宙からくるのだとエネルギー全体で感じていた。
カンのいい人なら、彼女がどういうインスパイアを受け取り、
それを作品にどう生かしていたか、想像つくんじゃないかしら。
一人や二人じゃないのよ。
有名人だから、というのでもない。
市井にいるごくふつうの主婦でも、学生でも、
子どもでも、病人でも、もちろんサラリーマンだって、
フリーターだって、日々インスパイアを受け取りながら
生きている人はたくさんいるわ。
有名人の場合は、言葉や業績が記録に残りやすいので
目立つだけであって、ごくごくふつうに、あちこちに、
そうした人々は暮らしている。
二人三脚しながら、ね。
本で出版されたものは、自己表現。
仕事で表現されたものも、研究で表現されたものも、
子育てや家事によって表現されたものも、
みながそれぞれの自己表現。
生きることそのものが、あなたの自己表現なのよ。
地球ってね、その自己表現をたのしむ場所。
辛いのも、うれしいのも、こもごもあるけれど、
共通するのは、この肉体を活動させることで経験される、という点。
自己表現を通じて、学ばれる。
自己表現に、いいも悪いもない。
世俗的な評価は関係ないの。
それらは、他人たちによる評価だから。
評価は、他人たちによる他己表現なのよ。
あなたには、関係ない。
自分の「自己表現」に集中するの。
こうやったらお客様が喜ぶんじゃないか、って工夫してみる。
ここは減らしてもいいんじゃない、って仲間を楽にしてあげる。
思い切ってこういうの止めようよ、って生産性を向上させる。
先回りして世話を焼くと自立できないから、あえて手を出さない。
あなたなりに、できることは無限にある。
あなたなりに、活躍できる余地は無数にある。
あなたなりに、役に立てる場面は今日も明日もいっぱい来るわ。
あなたはね、あなたにとって必要な存在なのよ。
あなたは、自己表現に値する人物。
あなたの自己表現は、あなたにとってゆるぎない価値を持つ。
あなたは、あなたにとってかけがえのない人。
それでいいんじゃないかしら。
そして、それだけで十分じゃない？
人生ってね、実はもともと、「そういうふうにできている」
はずだったのかもしれないよ。
あなたの「幸せ」も。
わたしは一生バカだよ。
バカは死ぬまで治らないんだから
そうと決まればバカとして
明るく元気に生きてゆくしかないよ。
（『ちびまる子ちゃん』12巻）
