『ヒミツ』第4巻 46 覚醒2

2023.02.20 その他

46 覚醒2

これまでの人生、いろいろあったね。

たのしいことも、辛いことも、悲しいことも、うれしいことも。

ちょっと人には言えない、あんなこと、こんなこと。

いいの。

それらのすべてがあなた。

あらゆる側面があなた。

これまで、何度も傷ついてきたでしょ。

でもね、ほんとうは、あなたの許可なしに傷つけるなんて、

だれにもできないのよ。

そう、許可したのはあなた。

正確に言うと、指示したのがあなた。

多様な側面から、多様な経験をし、多様な思いを味わうために、

あなたはまず意識と無意識を分断した。

無意識の世界では引き続き自分とつながっており、

自分たちとも連携しているのに、

それが決して意識に上らないよう、

意識には決してトスアップされないよう、

あなた自身が無意識側を制御しつづけてきたのよ。

成長の糧をえるために、あえて。

なぜなら、無意識側を上手に扱えると、ランドスケープもタイムスケープも

超えた体験ができてしまうから。

あなたのことだから、そんなことできちゃったら、

すぐ逃げ出すに決まってるじゃない。

だからあちら側にいるあなたは、こちら側にいるあなたに

魔法をかけておいたの。

成長の魔法。

豊かさの魔法をね。

人間はそれを、「自縄自縛(じじょうじばく)」って呼んでる。

お金がいっぱいあることは、魂基準でいうとさして重要じゃない。

それより、「多様な経験」の方がはるかに豊か。

美人で、頭がよくて、家柄がよくて、高学歴で、イケメン彼氏がいることも、

魂基準ではどうでもいいの。

それより、今日もくよくよ半べそかいたり、一人悶々としていたり、

20円引きの夕方のお惣菜狙ってるあなたのチャーミングなセコさこそ、

体験してみたかった。

後悔だらけで学べまくりのあなたの日常こそが「お宝ライフ」、

最重要ミッションだったのよ。

だから、あなたが選ばれた。

そして、あなたは合格したの。

見事にクリアしたのよ。

よく泣いて、よく悔いて、よく逃げて、よく妬いた。

もう完璧。

自分で自分を縛る大天才が、あなただった。(笑)

向こう側のあなたは、十分に満足したよ。

いえ、期待以上に、500点満点、1,000点満点って感じ。

だから、魔法は解けはじめてる。