『ヒミツ』第8巻 11 頭で見る1

2023.12.11 その他

11 頭で見る1

筆者は、感情を交えずに数字で見る、論理で想像する、

ということをよくやる。

1 まず、プロセスを見ずに、結果をストレートに評価する。

2 そして、その評価からプロセスを再解釈する。

たとえば、日経新聞さまは実質賃金の低下が6か月続いているという

前年同月比の「比率」がマイナスになるのは、6か月連続と。

下げ幅がさらに下がると、下落「率」は下がるけれど、

下落率がゆるやかな月があれば、%としてはプラスの月もある。

たしかに、正しい。

・・・でも、下落「率」は緩和される月があっても下落は下落、

下がり続けている悲惨な状況は変わらない、という観点に立つなら、

国民たちは、実際にはもう18か月連続の賃金低下に見舞われている。

もう12月に入ったので、実態としては21か月連続下落を

更新中、ってとこかしら。

家計は苦しくなる一方。

そこにさらに、増税や社会保険料の値上げという

追い打ちがかかってるので、

表面的な「%」以上に生活実態は苦しくなってる。

結果からさかのぼって記事を再解釈すると、

ご主人さまへの忖度から、

国民生活の苦しさをあんまり意識させたくないんじゃないか、

たった6か月なんだから大したことない、って

印象操作したいんじゃないか、という疑念が浮かんでくる。

ガザでは何人死んだ、赤ちゃんがかわいそう的な報道が

連日連夜くりかえされているけれど、

自国では第二次世界大戦を上回るペースで人が死んでいることは

ほとんど報道しない。

当然、原因の究明もしない。

外国の少数の死亡例ではなく、

自国内で未曾有の大量死が起こっているのに、

すごいなぁ、ってある種感心するわ。

年初に、昨年の介護事業者の倒産が8割増と過去最高を記録し

話題になった。

今年はさらに大幅増加しているのだけれど、

その根本原因の一つが、

お年寄りたちが続々と死にはじめているから。

お得意さんだった人たちが急減しているという事実は、

なぜか報道されない。

TVや新聞の情報を鵜呑みにし、自分の頭で考えることをしないと

現実を見誤る、という典型的な事例じゃないかしら。

いい?

プロセスを見ずに、結果からプロセスをさかのぼって解釈するの。

それが、美しい言葉や個別の事情(=言い訳)に惑わされずに、

自分の頭で考える、ということ。