『ヒミツ』第8巻 4 世界のあり方5
4 世界のあり方5
インフレ下では、なにもしないとお金の価値は下がっていくわね。
企業から見ると、「社員の稼ぐ力」も下がっていく。
インフレ下では、現状維持は維持なんかじゃなくて、低下。
稼ぐ力が向上しない人は、「劣化していく一方の人材」になっちゃうの。
ここを理解していない人が多い。
テレワークに甘える高級引きこもり人、無難に無難にという人、
変化をあからさまに拒む人、既得権益化されたポジションを守る人、
かつて稼いだ栄光にすがる人、等々。
正論ってね、「過去の文脈では正しかった論」のこと。
具体的に言うと、デフレが経済全体を覆いつくし、
いい意味でも悪い意味でも大きな変化はなかった時代には
正しかった、という論。
当然、いま世界は劇的に変化している。
企業について言うと、なぜかハイピッチで倒産がつづいてる。
個人について言うと、なぜか第二次世界大戦時よりも死亡者が多い。
なぜか、自然ではない自然災害が続き、
なぜか国際紛争も長期化して輸入物価は高騰したまま、
なぜか一部の国では食糧危機さえ生じている。
なぜかたまたま、こうした同じ方向性の事象は重なる一方であって、
偶然にも解消する方向には進まない。
そうしたなか、はたして「正論」で今後もやっていけるかしら?
どういう生き方をしてもいいけれど、これを読んでいるあなたには、
できるだけ勇気を出して一歩を踏み出してほしい。
大丈夫、なんとかなるわ。
自分に解決できない課題を自分に出すわけないの。
ヒントも解法も、確実に100%すでに手元にある。
でも、一応は言っとく。
あなたの試みはたちは、失敗する可能性「も」高い。
試行錯誤の連続になる。
大枠は理解してても、未来すべてを見通せているわけじゃないし、
やってみてはじめて発覚する地雷もたくさんある。
ほら見たことか、やっぱダメじゃん、お前が言ったんだろ、
と心無いヤジも飛んでくる。
背中から、味方の矢だって。
でも、あなたには進んでいってほしい。
彼らが間違えないのはね、去年と同じことしてるからよ。
彼らは来年も同じことをする。
あたらしいことはなんにもしてないんだから、
失敗するわけないの。
あなたがやらかしちゃうのは、
余裕でこなせるコンフォート・ゾーンを抜け出して、
あえて難易度の高いチャレンジ・ゾーンで活動しているからよ。
間違えない人々からのヤジなんて、気にする必要ない。
それにね、最悪の最悪は野垂れ死にでも大貧困でもない。
日本の場合は、ベーシック・インカムよ。
最低限の保障は残るから、大丈夫。
2027年あたりから施行されるわ。
そこから再出発だって、可能。
日本の場合、セーフティネットはちゃんと機能する。
だから安心して、胸を張って、前に進むの。