『ヒミツ』第8巻 5 反映1

2023.12.05 その他

5  反映1

筆者はよく遅刻する。

感受性が強すぎる人には、ふつうの人には何でもない会議も

けっこうなプレッシャー。

出たくない、って深層心理が発現しちゃうの。

典型的に、やっぱ現実創造は無意識が行ってんだよな、って

わかる瞬間。

だから、もう次から次へと社長業の移譲を進めてる。

銀行対応さえも移譲し、とうとう彼が参加するのは

週次役員会と月次役員会の2つだけになっちゃった。

会社にいる時間は、どんどん短くなってる。

彼は、資本主義社会の経済活動からは遠ざかる一方。

他方、彼が構築するワールドは会社全体を包み込みはじめている。

出社時間には反比例しながら、筆者流の経営方針はますます強く、

さらに色濃く、仕組みとして組織全体へと浸透していく。

不思議な感覚。

物理的な関与は減る一方なのに、

精神的な影響はどんどん深くなっていく。

そして、その度合いに応じて、収益性が改善していく。

筆者自身も、阻んでいたのは自分だったんだな、と感じる。

許しちゃってたのは自分。

犯人は自分。

筆者は勉強が苦手だった。

記憶力が弱いので、暗記中心の教育方法だと当然に劣後する。

小さいころから点数を付けられ、比べられ、競わせられ、

向かうべき進路が偏差値で示されつづけた結果、

深層心理の深い深いところまで、劣等感が植え付けられてる。

ほとんどの人は、似た感じじゃない?

お勉強ができた東大出身者にも上には上がいるわけで、

上層内での劣等感の刷り込みは、

下層よりもはるかに過酷な競争環境だったがゆえに、

むしろ一般人より深く強固なのかもしれない。

劣等感は自己否定。

なんに対してであれ、どこでであれ、だれにであれ、

「値しない自分」という立脚点を要求する。

下位の自分、従属する自分、被害を受ける自分を。

だからすぐ、マイナス思考が頭をもたげてくる。

嫌われてるんじゃないかとか、無視されてる、

認められていない、慕われていない、評価されていない、

受け入れてもらえない、理解されない、って妄想が

すぐに頭の中をぐるぐるかけめぐる。

そうした深層心理は、無意識にポロっと出てくる余計な一言や、

重点的にチャンスをこそ逃がす過剰防衛的な選択傾向を生みだす。

かくして、自ら被害を受けやすくなる行動ばかりをくりかえし、

人生はしんどくなる一方。

そう、否定的なセルフイメージ、

幼少期から深層心理に刷り込まれてきた劣等感こそ、

あなたの「しんどいいま」を作り上げている犯人よ。

この現実世界を彩る問題たちも、豊かさたちも、

すべてはセルフイメージの反映。

あなた自身が、投影活動を行った結果たちなのよ。

筆者だって、例外じゃない。