『ヒミツ』第6巻 49 豊かなあなた3
49 豊かなあなた3
世界に不幸はない。
すべては順調である。
そういったら、驚くかしら?
子育ての場面を想像すると、わかりやすい。
多くの場合、子はいまを生きてる。
大人みたいに未来を憂いたり、過去を嘆いたりしない。
忖度もせず、貯金もせず、途中解約もしない。
目の前のこの一瞬一瞬が世界のすべて。
思春期になると大人みたいなことで悩みはじめるけど、
小さい間は「いま、ここ」を全力で生きてるわ。
すてきな生き方だけど、弊害もある。
おやつが食べたいなら、食べたいの。
虫歯になるとか、砂糖は体に悪いとか、寝る前は最悪、
なんて考えない。
欲しいものはすぐ欲しい、行きたいとこにはすぐ行きたい。
他人の物でも自分の物。
親はみな、困った経験をしたことがあるはず。
親には未来が見えている。
子は、寝る前におやつを食べさせてもらえない不幸を嘆くけれど、
親には、虫歯のない健康な未来が見えている。
子は、買ってもらえないと文句を言い通路で泣きじゃくるけれど、
親には、欲望と浪費に流されない賢い未来が見えてる。
子は3~4年の経験を前提に考えてるけれど、
親は30~40年先から今後の推移を見通している。
あきらかね。
いま、この場面だけを切り取ればたしかにひどい状況かもしれないけれど、
そのタイミングでその学びを経験しておくことで、
後の人生は格段に豊かに、幸せになれることがわかっている。
子の判断は、いま/ここだけに限定されており、
親の判断は、未来や他の領域にも開かれている。
子は逆境と不幸に文句を言い、親は順境と成長に目を細める。
生起した同一の事象に対して。
もうわかるでしょ。
子と親の関係は、あなたと魂の関係と同じ。
永遠の魂からすれば、すべては順調なのよ。
すべてが得難い貴重な経験であり、
すべてが豊かさの源泉であり、すべてが幸せに通じているの。
それが逆境に見え不幸に感じられるのは、
肉体を自分と同一視しすぎているから。
あなたはね、永遠の存在なの。
死ぬことはなく、奪われることも、傷つけられることも、
虐げられることも、被害を被ることもない、完全な存在。
人間語で言うとね、永遠なる神。
それが、あなたの本質。
あなたの魂。
肉体は、より具体的に生々しい経験ができるようにお借りした、
一時的な乗り物にすぎないのよ。
あなたの経験に、偶然など一切ない。
すべては順調。
あらゆるポンコツは成長のお宝。
あなたは永遠。
なにも怖がるものはない。
このことを忘れないで。