『ヒミツ』第6巻 48 豊かなあなた2

2023.09.29 その他

48 豊かなあなた2

お金ないから、運悪いから、下っ端だから、

豊かじゃないと思う?

自分はダメだ、って。

価値判断の多くは、損得をその前提に隠し持っているわ。

支えてくれる上司は、いい上司。

助けてくれる仲間は、いい人。

言うこと聞いてくれるのは、いい部下。

うるさいこと言わずに儲けさせてもらえるのが、いい顧客。

あなたの都合に合わせて、あなたに都合よく、ね。

多くの場合、良否や善悪の基準は、ほんとうは損得。

相手が国だろうが、会社だろうが、制度だろうが、同じよ。

日本の詰め込み教育は、考える力を奪う。

正解は教科書に書いてあり、会社が提示するものであり、

政府が表明するもの。

コンプライアンスによって守られるべきものであり、

報道によって伝えられるものであり、

資格によって、データによって裏付けられるもの。

さまざまな言葉で美しくラッピングされ、

精緻な分析で証明され、正しい権威で認定されるもの。

・・・でも、自分の頭で考えるようになった人は、

その背後に「損得」が隠されていることに気がつくんじゃないかしら。

自分もそれを使うよう、仕向けられている。

だれも疑問を持たないよう、仕向けられている。

他人にもそれを強いるよう、仕向けられている。

この社会では、そうやって小さななころから、

みなが脳を洗われながら育てられるの。

自分が豊かじゃないって思えるのは、得する立場にいない、

ってだけじゃない?

しかもその「得」の中身は、セレブがおすすめする高級品や、

SNSで見かけるハワイの写真や、キラキラしてばかりの動画とか。

半沢直樹みたいな、相も変らぬ勧善懲悪ヒーロー像とか。

高貴なあなたに、その手の作り物は似合わない。

他人製のステレオタイプも、マーケティングお化けもね。

発想を切り替えてみない?

欠けているのではなく、欠落が豊富に与えられているのだとしたら?

・太平洋戦争の時のような、悲惨な経験はもうしなくていい

・明治時代の日本人の平均寿命は、40代前半にすぎなかった

・江戸時代では、飢饉が起こると年間で何十万人もの餓死者が出ていた

遠い昔の話みたいに聞こえるかもしれないけれど、

いまも「現在進行形」の国はあるのよ

現代日本で暮らすあなたに必要なものは、

実は、すべて与えられているんじゃない?

与えられていないものは、必要がないからじゃない?

あなたなりの豊かさを経験していくにはむしろ邪魔だから、とか。

もしそうだとしたら、「欠落が豊富に与えらえている」

ということの意味を、もう一度考えてみてほしいの。

もしかしたらそれは、あなたが活躍していける余地、

あなたがほんとうの意味での豊かさを創造していける空きスペース、

あなたこそが輝けるニッチなチャンス空間なのかもしれないよ。

もしあなたの周囲がダメ人間ばかりでなく、

みながみな東大卒で立派な人格者ばかりだったら、

あなたが活躍できる余地なんてあるかしら?

もし一生遊んで暮らせる身分だとすれば、

複雑な人間関係の中で多様な学びを深めるような生き方を、

あなたはすると思う?

もし部下が思い通りに動いて夢のような成果を勝手に出してくれるなら、

あなたの存在意義は?

子がよく言うことを聞いてくれ、お利口さんで、

悪いことは一切せず、自動的に公務員になってくれるとしたら、

母親なんて必要かしら?

あなたに欠落が豊富に与えられてるのには、

明確な理由があるのよ。

魂は自らの意思で、生まれてくるときに、

あなたが創造者になれる「余地」を選び取っていたの。

ポンコツな環境を。

そして、愛するあなたを、ね。