『ヒミツ』第6巻 17願い1
17願い1
ヘビーな話がつづいたわね。
書く方も、辛いのよ。
でも、「時代の構造」に関する認識ができていないと、
あっという間に飲み込まれちゃう。
企業で言うと、倒産まっしぐら。
だから、こうやって詳しく、かなりの紙面を割いて
似た説明をくりかえしているの。
この地球はね、ネガティブなエネルギーが支配する場所であり、
あまねく不安が内面化され、自分は取るに足らない存在だ、
無力だ、劣っているんだ、って人々が思いこまされている社会なの。
だから基本、人々の思考は閉ざされ、余裕がなく、
ものごとを大局的にとらえることができない。
見えない構造の中に、ほとんどの人が閉じ込められているわ。
自己制限によって、自主的に、ね。
制限を外そうとすると、左脳がモーレツな抵抗を示す。
潜在意識の深いところまでゴシゴシ洗われてるから、
自分を解放しようとすると、不安になるのよ。
葛藤が起こる。
怒りがわいてくる。
人によっては悲しくなったり、寂しくなったり、
落ち込んだり、無気力なったり、とさまざま。
差し伸べられた手を振り払い、微笑んだ女神を追い払う人がいる。
レッテルを貼っては、レスキュー隊をオカルト扱いする人もいる。
陰で悪口を言いふらしたり、巧妙におかしな誘導をしたりする場合も。
筆者は、あえてされるがままにしてる。
反論せず、騒ぎも、指摘もしない。
ただ黙って、つねにやられっぱなし。
彼は経営者なので、社内でもっとも結果を求める人であり、
必然的に、もっとも「加害者」にされやすい人でもある。
でもね、彼の厳しい態度は企業経営の必要性に由来するものであって、
他人の内面性に関するものじゃないの。
内面化された不安を払しょくできる他人なんて、存在しないわ。
その人が気づき、自分の力で、自分の内面に向き合うしかないの。
あなたにやさしくできるのは、あなただけ。
彼がきびしいのはね、あなたがやさしくなれる基盤を
維持しつづけるためなのよ。
彼の願いは一つだけ。
あなたは、あなたにやさしくしてほしい。
自分の力で、ご自身を開放してほしい。