14 選択の時４

 

 

並行して彼が行ったのは、昇給と福利厚生の充実。

 

総務チームにいろんなアイディアを出してもらい、

たのしく、快適な職場になるよう、「おたのしみ」をたくさん用意した。

 

・天然酵母のパンを週に１回、おいしいパン屋さんから配達

 

・オフィスおかんの導入

 

・社内通貨としても使える、サンクスカードの増刷

 

・リフレッシュ休暇に加え、バケーション制度の創設

 

・高級店でのランチ会

 

・残業しなかった手当３万円の創設

 

・グリーンパル共済への加入

 

・派遣＆パートには、チャレンジに10万円原資進呈

 

・引っ越し補助の拡大（独身25万円、家庭持ち50万円を何回でも）

 

・「自分の日」を月一回創設（有休休暇を年間12日進呈）

 

 

たぶん、大手企業でもここまではやらないんじゃないかしら、って

施策がどんどん実行に移されていった。

 

この夏からは、いよいよ週休2.5日もはじまろうとしている。

 

社内をAグループとBグループに分け、毎週(水)を替わりばんこで休む、

給与は変わらない、って施策。

 

 

 

大きかったのは、「イヤな業務をがまんんしてやるのは止めよう」

プロジェクトね。

 

できるだけ、社員がみな「やりたい仕事/得意な業務」を担当できるよう、

部門を超えたプロジェクトに自由に参加できるようにした。

 

 

結果は見事なもの。

 

コロナ期に大口代理店が倒産したので、彼の会社もピンチに

陥っていたのだけれど、わずか数年で業績は劇的に回復し、

財務体質も抜本的に改善されたわ。

 

あの時期に、よ。

 

彼のヒミツが垣間見えた瞬間だったけれど、

いまでも社員の多くは気づいていない。

 

なぜこの会社の雰囲気は明るく、たのしそうなのだろう？