『ヒミツ』第9巻 34 ライフスタイル 06

2024.05.18 その他

34 ライフスタイル 06

幸せな人生を送るには、どうしたらいいだろう?

幸せになりたい。

人類が、太古の昔からくり返し抱いている願望ね。

みながみな、等しく問う。

「幸せになるには?」って。

いいこと教えてあげるわ。

こう問う限り、幸せにはなれないの。

問いが間違ってるのよ。

間違った問いに正しく答えることこそ、不幸の源泉。

幸せの定義って、人それぞれ。

価値観も、方針も、感受性も、やりたいことも、みんな違う。

にもかかわらず、「幸せ」って言葉は同じ。

Aさんはその言葉で音楽への情熱を意味し、

Bさんはなにもしないなまけ癖を正当化し、

Cさんはお金を手に入れたいことの美辞として使い、

Dさんは・・・・、って状態なの。

いっしょに走り出したら、揉めるに決まってるじゃん。(笑)

「成功」も同じ。

「達成」も、「人として」も、「上司たるもの」も、

「ふつうは」「常識的に」もね。

言葉って、同じなのは画数と書き順くらいなものよ。

特に企業の場合、たくさんの人がかかわってくるので、

リーダーがこのことに無自覚だとトラブルになりやすい。

「被害者祭り」がすぐはじまるわ。

複数の人が「幸せ」を追求したり、

「成功」をもとめたりしはじめた瞬間、争いになる。

そこで提案なんだけど、まずは「物理状態」を目指してみない?

たとえば、母親が子を抱きしめるとき、双方の脳内では

オキシトシンに代表される幸せホルモンが分泌される。

幸せそのものを追求するより、

「オキシトシンが出やすい環境を作りましょう」とか、

「オキシトシンが放出される回数を増やしましょう」

とかって考えるの。

すると、「子の将来のためになにをすべきか」ではなく、

いまここで抱きしめてあげる、

わざわざディズニーまで行かなくていいから、

いまここでいっしょにいられる時間を増やす、

といったことが自然にできる。

イライラしてるときは、

コルチゾールに代表されるストレスホルモンが出てるから、

おやつを持って公園に行くだけで、双方happyに。

オキシトシンは、群れで行動する動物たちの多くが

共有してる脳内報酬。

個体同士の絆や、相互承認が確認されると分泌されるので、

「相手の悪口はやめましょう」「互いの価値観を尊重しましょう」って

ルール作りをすれば、分泌回数も量も増えていく。

犬を撫でればもちろん、視線が合うだけで飼い主とペットの双方に

オキシトシンは分泌されるわ。

幸せや成功を直接もとめるのではなく、

「オキシトシンの分泌量や回数を増やすにはどうしたらいい?」

と問うていくのよ。

個人でも、企業でも、ご家庭でも