『ヒミツ』第8巻 13 頭で見る3

2023.12.13 その他

13 頭で見る3

知識として知っておくべき、大事なことがある。

ネガティブな高次元存在が用いているのは、

殺人光線みたいな強力な兵器とかじゃないの。

恐ろしい邪悪なパワーとかでもない。

「誘惑」よ。

彼らが使うのは、インスパイア。

人間にはみな、その人に固有の心の傾きがある。

その傾きに応じた「魅力」が巧妙に差し出されるの。

女好きの人には妖艶な出会いが、

ギャンブル好きの人には一獲千金のチャンスが、

劣等感や依存性の強い人には白馬の王子様が、って感じに。

自分の力で、目の前の問題を1つずつクリアしながら

登っていく階段ではなく、いきなり最上階に、

しかも自動的に運んでもらえる「エレベータ」が差し出されるの。

まぁ、乗っちゃうわよね、ふつう。(笑)

屋上に上がると、そこにはさらにステキな「らくちんエレベータ」が。

このくり返しで、あっとう間にあっちの方へ連れてかれちゃう。

多くの場合、世俗的な成功とセットになってる。

名声、富、権力、称賛、注目などなど、いいねボタンも乱舞する。

そうした人は、「らくちんエレベータ」に乗りたい

他の人々をたくさん惹きつける。

時の人となり、ヒット作を連発するようになり、

驚異的な才能が開花していくわ。

まるでなにかが付いたかのように、

おどろくべき能力を発揮しはじめる。

固有名は出さないけれど、有名なベストセラー作家、

賞を総なめにする映画監督、気鋭の音楽家、

颯爽としたベンチャー経営者などなど。

そのプチ版てなると、いたるところにいる。

あの会社にも、このサークルにも、そのプロジェクトにも。

共通する特徴があるので、あなたならなんとなく

感じ取れるはずよ。

・感謝の気持ちがない/少ない

・他人を見下している

・すでに十分得ているのに、もっと欲しがる

・他の意見に耳を貸さない

・孤独/不安

・猜疑心が強い/他人を信用しない e.t.c.

別にこれらが自動的に悪いというわけではないし、

卓越した結果を出す人によく見られる特徴でもある。

それだけで白黒判定するのは無理よ。

それぞれ調和がとれているか、トータルで過剰さがないか、

肌感覚として心地よいか、本人も周囲も幸せかなど、

総合的に見ていくしかない。

ネガティブな高次元存在はね、じつに狡猾。

他人に寛容な人には、その寛容さに付け込んで

破壊活動をくりかえす。

人の悪口を言わない人には、そのまっすぐさに付け込んで、

歪曲した噂をまき散らす。

相手の心情に配慮する人には、

1対1の個別面談だったのをいいことに、

他人には検証不能な「こんなひどいこと言われた」作戦とか。

その驚異的な能力の高さには、もう舌を巻くしかない。

だから、頭で見ることが大事なのよ。

あなたにも、自分の身は自分で守る覚悟が必要。

言ってることと実際にやってる行動に、ギャップはないだろうか?

その美しい言葉とは異なる結果が生じてないだろうか?

その崇高な理念は、ほんとうに仲間を幸せにしている?

結果から逆照射したとき、見えてくるものは?

自分の頭で考えるのよ。

論理で見るの。

肌で感じ取りながら。