『ヒミツ』第6巻 30 社会と平等と3
30 社会と平等と3
自由にものが言える、好きな自己表現ができるってね、
恵まれた権利。
いろんな形で、実質的に。
西側諸国の場合、日本も含めてだけれど、
あからさまな禁止ではなく、「事実上」で物事を進めることが多い。
巧妙にね。
表現すること、考えること、調べること、すべてについて。
たとえば、グーグルが検索結果を都合のいいように
操作しているんじゃないかとの指摘は、
世界中でたくさんの人々が行っている。
あなたも一度や二度は、そんな話を聞いたことあるでしょ。
でもね、ためしにグーグルで「google 順位 操作」と
検索してみて。
1個も引っかからないから。
世界には膨大な数の言論があり、たとえばこれらの単語単独では、
google; 約 25,270,000,000 件
順位; 約 245,000,000 件
操作; 約 1,540,000,000 件
と、気の遠くなるような膨大な記事が存在するというのに、
「google 順位 操作」の記事はわずかに279件。
そのうち、順位の操作疑惑の記事はゼロ。
世界には、順位操作への疑惑は一切存在しない、
もう清く正しく美しいパーフェクトな企業、って結果になるの。
すごくない?(笑)
話題の生成AIたちにも似た側面があるわ。
活用そのものに問題はないけれど、頼り切ってると
あらたなメディア、あらたな統治ツールとして機能しはじめる。
あたらしい平等のカタチ。
「ニュースで言ってた」とか、「新聞に書いてた」と同じ権威を
それらは持ちはじめる。
正しい正義としてね。
正しくない正義、不正確な正義、意図を持った正義、
誘導のための正義とかいっぱいあるのに、
その人たちにとっては「正しい正義」一つしかないの。
ルサンチマンが原動力となり、
唯一の「正しい正義」が規範になるとき、
実現されるのはどのような社会だろう?
たとえば、正しい法律によって、