『ヒミツ』第6巻 30 社会と平等と3

2023.09.09 その他

30 社会と平等と3

自由にものが言える、好きな自己表現ができるってね、

恵まれた権利。

世界中で、だんだんむつかしくなっていく

いろんな形で、実質的に。

西側諸国の場合、日本も含めてだけれど、

あからさまな禁止ではなく、「事実上」で物事を進めることが多い。

巧妙にね。

表現すること、考えること、調べること、すべてについて。

たとえば、グーグルが検索結果を都合のいいように

操作しているんじゃないかとの指摘は、

世界中でたくさんの人々が行っている。

あなたも一度や二度は、そんな話を聞いたことあるでしょ。

でもね、ためしにグーグルで「google 順位 操作」と

検索してみて。

1個も引っかからないから。

世界には膨大な数の言論があり、たとえばこれらの単語単独では、

google; 約 25,270,000,000 件

順位; 約 245,000,000 件

操作; 約 1,540,000,000 件

と、気の遠くなるような膨大な記事が存在するというのに、

「google 順位 操作」の記事はわずかに279件。

そのうち、順位の操作疑惑の記事はゼロ。

世界には、順位操作への疑惑は一切存在しない、

もう清く正しく美しいパーフェクトな企業、って結果になるの。

すごくない?(笑)

話題の生成AIたちにも似た側面があるわ。

活用そのものに問題はないけれど、頼り切ってると

あらたなメディア、あらたな統治ツールとして機能しはじめる。

あたらしい平等のカタチ。

「ニュースで言ってた」とか、「新聞に書いてた」と同じ権威を

それらは持ちはじめる。

正しい正義としてね。

正しくない正義、不正確な正義、意図を持った正義、

誘導のための正義とかいっぱいあるのに、

その人たちにとっては「正しい正義」一つしかないの。

ルサンチマンが原動力となり、

唯一の「正しい正義」が規範になるとき、

実現されるのはどのような社会だろう?

たとえば、正しい法律によって、

ロンドンはどういった方向へ変化している?