『ヒミツ』第5巻 42 STYLE6

2023.05.24 その他

42 STYLE6

「上げ組」の得意技は、なんだっけ?

共鳴?

でも、共鳴って下げ組のひとったちも使うわよ。

喜びや感謝?

たしかに、それはそう。

・・・でも、もっといい得意技があるじゃない。

めっちゃ強力で、対立を引き起こさない方法が。

「華麗にスルー」よ。

問題は問題視するから問題になるのであって、

問題化されなければそもそも問題にはならない、って前から言ってるでしょ。

悪化や対立が起こると、どうして具合がわるいの?

そこをよく考えるの。

あなたは善悪や正誤の判断をしているようで、

実は損得の話をしてるんじゃない?

あの人たちのおかげで業績が悪化したら自分のボーナスも減るとか、

部下や上司がネガティブ派なので、自分も巻き込まれて評価が下がっちゃう、って。

これは、自分は弱い存在であり影響を受けやすい、

相手の方が上位で自分は下位、

相手は影響力を行使する側であり自分は行使される側だ、

って前提を隠し持ってないかしら?

・対立はあってもいい

・理解されなくても、共感がえられなくてもいい

・ネガティブワールドの人たちは、勝手にそこで経験してていい

・その影響は自分には及んでこない

・そんな状況でも、双方の協力が自然に発生する仕組み

・協力が実際に双方の「得」につながる仕組み

を考えるのよ。

物理的に、ね。

たとえば、筆者の会社では、今月から役職者たちによる

「週休2.5日」がはじまっている。

問題点を洗い出し、8月から全社導入する前の試験運用として。

会社をAチームとBチームに分け、毎週(水)を交互に休む、

ってことが可能になるには、

・ブラックボックスの解消

・担当者がいなくても、別の人が対応できるクロス化の仕組み

・ふだんからの情報共有、保管場所の周知、運用

・上司がいなくても、自分で判断できる現場づくり、権限移譲

・最低10%の生産性の向上

など、いろんなことが必要になる。

働かない日が10%増えるわけだから、当然にね。

自分が行かなくて済むよう、照会の電話がかかってこないよう、

よってたかっていろんな改善をしていかなくてはならない。

改善できれば、2.5日を超えて、最終的には

週休3日という物理的な「得」が手に入る。

この時の目標は、生産性の30%の改善。

20%は休日の20%増加という形で社員が得をし、

残りの10%は利益の増加として会社が受け取る。

それは、最後には経常利益率を30%増加させる、

ってことになるけれど、ふつう、たった半年でそんなこと不可能よ。

とうてい無理。

でも、筆者の会社では、それを実現しようとしているの。

物理的に、非協力的な無理解者たちといっしょに、ね。

そのための最強ツールが、問題視しないという「華麗にスルー」策。