『ヒミツ』第5巻 8貧困の創造1
8貧困の創造1
苦労や貧困を創造していくには、コツというものがある。
まず、朝起きてなにをする?
多くの人は、TVを付けたり新聞読んだりするんじゃないかしら?
当然、悲惨な事故や、かわいそうな難民たちや、深刻な社会問題など、
メディアにはネガティブな報道があふれかえっているわね。
そう、朝起きたらすぐに、今日一日分のネガティブ・チャージ。
しっかりとマイナスの運気を吸い込んでから、出発よ。
会社に向かいながら、なんとなく昨日あったイヤなこととか、
今日すべきめんどうな作業のことに思いをめぐらす。
あれもしなきゃ、これも溜まってる、あれどうなったかしら、って。
必然的に、「痛勤」になる。
混んでなくてもね。
会社に着くと、すぐにPCオープン。
メーラーが開かれた瞬間、いつものように大量の雑事が降ってくる。
Aさんからはこれやってくれ、Bさんがどうもお客さんとトラブってるみたい、
Cさんからは未達の報告、Eさんは・・・って感じで。
気がつくと、もう会議の時間。
なんとかやっつけで資料は間に合ったので、よかった。
できなかった理由はしっかり収集済みなので、大丈夫。
安心して会議に臨めるわ。
今日のお昼は、コンビニで卵サンドを買ってこう。
いつものように、スマホ片手に「ながら食い」。
別におもしろいわけでもなく、たいした情報もないんだけれど、
スマホ見てないと落ち着かないのよね。
帰りの電車でも、当然スマホ。
ホームの待ち時間もスマホ。
トイレで用を足しながらスマホ。
晩ご飯たべるとき、TVは付けっぱなし。
うふふ、あははのおたのしみタイム。
なに食べたか、味がどうだったかはよく覚えてない。
食べ物に感謝の念はもってない。
ただ、栄養補給した。
さて、もうそろそろ寝ようかな。
仕上げは当然、寝室スマホ。
だれが離婚したとか浮気したとか、ネガティブな記事をいっぱい読む。
寝てる間、海馬の記憶の整理機能を使って、
深層心理にマイナス情報をしっかり刷り込んでおくのよ。
わたしは心配、世の中は不安、社会はたいへん、
人間関係はキツい、未来は暗い、って。
深層心理の深い深いところにたっぷりしみこんでいったので、
明日以降、すべての発想がマイナス方向に傾いていき、
必然的に、行動はネガティブな方向に偏っていく。
もち、充電は枕元。
寝てる間中、脳に電磁波をしっかり照射しつづけなきゃね。
今夜も自動更新が効くといいな。