『ヒミツ』第5巻 0はじまり
2023.04.08
その他
モヤモヤを抱えたままお茶を濁すより、
ストレートに書きたいものを書くことにします。
例によって、ぶっつけ本番。
朝、思いついたことを書くだけ。
SF小説『あなたの50のヒミツ』第5巻、連載開始です!(笑)
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0はじまり
かつて、民は宝だったの。
どの領主にとっても、近隣領主たちとの勢力争いにおいて、
カギとなるのは経済力だった。
どんなに強力な軍勢をもっていたとしても、兵士たちを養えないようでは
当然領地の維持/拡張はできない。
農地を耕し、生産物を流通させ、加工によって付加価値を高め、
活発な経済活動を行ってくれる国民たちこそ、パワーの源だった。
だから領主たちは、苛烈な課税を行いつつも、民たちが自らの再生産に
支障をきたさない程度には、民を保護した。
貧しいなりに民たちは出会い、子をもうけ、育て、
子たちもまた出会い、子孫を増やしていくことができた。
領主と民とは、ある意味win-winの関係にあったの。
けれど、いまは状況が変わっている。
かつての領主たちは陰に隠れ、マネーの支配者に姿を変えた。
金主は、表には出てこない。
出てくるのは、ファンドマネージャーやグローバル企業の番頭たち。
その忠実なしもべである、各国元首たち。
彼らの共通の悩みは、この「増えすぎた国民たち」。
地球上を埋め尽くさんばかりに増殖し、このまま放置すれば、
さて、どうしたものか?
この視点を持てるなら、いま世の中で起こっているおかしな現象の多くを
理解できるんじゃないかしら?