『ヒミツ』第4巻 23 インフレのその先に1

2023.01.29 その他

23 インフレのその先に1

最近、値上げばかりね。

なにを買うにも、量を減らそうか質を下げようかって、考えざるをえない。

賃上げ自体は進んでいるものの、インフレのペースには追い付かないので、

多くの人の生活はどんどん苦しくなってる。

インフレは、2つの使い方をすることができる。

多くの人は、苦労の源泉として使っている。

手元キャッシュの価値はどんどん目減りしていくので、

せっかく貯めた預金の価値は、毎年下がる一方。

会社でも生産コストは上がる一方なので、

これまでのように何もしないでぼーっとしてたら、

たちまち非効率な組織に転落して倒産しちゃう。

一段と競争は激しくなり、結果を出せない人や企業の

淘汰はますます加速するわ。

デフレのころがなつかしいわね。

国民にとってはぬるま湯の、悪くない環境だったのよ。

手元キャッシュの価値は相対的に上昇するので、

創意工夫なんかしなくても、ぼーっとしててもなんとかなった。

貯金の価値は毎年自動的に上昇し、同じ給与額でも相対的に

買えるものは増えていく。

企業たちが勝手に、さらに安くていいものを開発してくれるので、

消費者にとってはある種パラダイスのような世界だった。

でも、これからは違う。

容赦なくコストが上がるので、相当な創意工夫と努力が

求められるようになるの。

会社でも、家庭でも。

消費者目線で言うとね、消費者物価、いわゆるインフレの進展って

2種類あることを理解する必要がある。

生活必需品の値上がりと、その他(主にぜいたく品)の値上がりよ。

いい?

消費者物価指数もいわゆるインフレ率も、両方の平均なの。

一般論としては、生活必需品は付加価値が低いので、

原材料や生産コストの上昇の影響を受けやすい。

暮らしに欠かせない食料、水道光熱、衣類、生活関連サービスなどは

大きく値上がりしやすいのよ。

これらが支出の大半を占める中間層以下の暮らしは、

平均的な「指数」や「率」以上に苦しくなる。

倍くらい、を念頭に置くといいわ

年に1回か2回は、お給料が丸々出ない月がある、って

感じかしら。

他方、ぜいたく品の場合は、もともと直接コストの比率が低く、

価格内に占めるブランド代=付加価値部分が大きいため、

企業側にコスト上昇を吸収する余力が相対的に大きい。

だから富裕層は、インフレってあんまり苦しく感じないの。

むしろ、資産運用できる側からすれば、インフレはウェルカム。

不動産の価格上昇なんか、典型ね。

ちなみにだけど、コロナ対策禍で業績が悪化したため、

本社ビルや保有不動産を手放す企業たちが多かったけれど、

買い取ったのは主にハゲタカ外資たちだった

2023年春には、アレは第五類=ただのカゼと同じ扱いになり、

屋内ではマスクが不要になるわね。

当然に景気はあっというまに息を吹き返し、

不動産価格はあれよあれよと言う間に上昇していく。

安値で買った側には、売り抜けるのに絶好のチャンスが訪れる。

あまりにもタイミングが良すぎないかしら?