『ヒミツ』10巻 01 時2

2024.09.02 その他

01 時2

グローバルおじさんたちは、偶然、

そのタイミングで動くわけじゃない。

綿密に計算され、世界中の情報や政策がコントロールされ、

なにより、一部の「読み人」たちがエネルギーの動きを読んで、

このタイミングで動くことがベストだから、動いている。

驚異的な世界線の選択がなされているのよ、ほんとうは。

見えない人には、まったく見えないのだけれど。

実は、筆者にもあんまりよくは見えていない。

彼は放棄したから。

自らの意思で封印したから。

いまの彼はどこにでもいる、ふつうのおっちゃん。

・・・ただし、ひきつづき直観は鋭い。

経営者に必要とされる、

時代をかぎ分けられる程度の嗅覚があれば十分なので、

彼はあえて限定されたその能力の範囲で生きてる。

グローバルおじさんたちの動きを横目で見て、

「あ、時が来たんだな。よし、当社も動こう」って

判断に活用させてもらっているの。

これまで欧米勢は、「高金利+じゃぶじゃぶ緩和マネー」で、

大儲けしてきた。

けれど、高金利は経済を害する側面もあり、

やりすぎると自爆する。

薬物中毒と同じよ。

たしかに宴の最中はハイになれていいかもしれないけれど、

いつのまにか音楽は止んでおり、イスは片づけられてしまって、

気が付けばだれも座れない、なんて状態がありえるの。

いい?

音楽が止んだから座れなくなったんじゃない。

みんながハイになり、いい気分で踊りに興じているまさにその足元で、

1つまた1つ、イスは着実に片づけられていた。

水面下で進んでいるこの事実に気づいた人と、

そうでない人がいただけよ。

気づいた人は、突然イスがなくなったとしても、

少なくともご縁があって関わっている方々は座れるよう、

「予備の補助イス」を準備してきた。

補助イスゆえ、メインと同じふかふかな座り心地と

まではいかないけれど、

あるのとないのとでは雲泥の差になる。

そしてね、補助イスを準備するリーダーと

そうでないリーダーがいたように、

準備してもらっていることに感謝の気持ちをもてる社員と、

そうでない社員たちがいたの。

補助イスの準備に理解を示し協力してくれる人と、

そうでない人たちが。

無理解派の人たちは、やれ座り心地が悪くなった、窮屈だ、

オレのあのふかふかした自在イスをもう一度よこせって、

文句ばかり言ってきた。

彼らからは<文句の波動>ばかりが出ていたので、必然的に、

ケチの一つもつけたくなるみじめな未来を創造する結果になった。

他方、理解派の人たちは、また一つ、さらに一つと、構造的に消失していくイス

を補うべく、その月はガバナンスのルールを改訂し、かの月には人事評価制度を改め、

ある月には不採算部門を閉鎖し、他の月には未来につながる新規事業を育てって、

モーレツに補助イスたちを創造しつづけた。

彼らからはつねに<感謝の波動>が出ていたので、「ありがたいなぁ、助かるわぁ」って

未来の要素たちが創造されてきたわ。

1年が過ぎるころには、彼らの地位は上がり、所得が増え、

休みも増加し、裁量権が広がって、

難易度の高い重要なプロジェクトを任されるようになった。

仕事ががぜんおもしろくなってきたのは、必然ね。

そして、彼らが創造した被造物たちは、その反射的効果として、

彼ら自身の創造性を創造するように作用しはじめているの。

来年から日本は、本格的な利上げフェーズに入る。

30年以上、一人だけ周回遅れをつづけていたランナーは、

気が付けばトップランナーに変貌してるわ。

日本でも、いよいよ宴の音楽が大音量で鳴りはじめるの。

それが、来年からのあたらしいフェーズ。

「宴」を上手に活用するには、

前もって準備を終わらせておく必要がある。

いかなる事態が構造的に創造されたとしても、

自身に必要な豊かさを自ら創造し直すことで、

いつでも、どんな環境下でも、つねに豊かで幸せな人生を

送ることができるようになる。

そう、創造主たちの創造。

それが、彼の社内改革だったのよ。

彼の会社は、来年以降使う予定の資金も無事調達済み。

スムーズに、あたらしいフェーズへと移行していけるわ。

自らの創造性を創造しつづけてきた創造主たちが、

大活躍をはじめていくのよ。

それぞれの現場、現場でね。

御社の準備はどう?