『ヒミツ』第8巻 50 あなたの変化2

2024.01.18 その他

50 あなたの変化2

筆者は、古い映画を見るのが好き。

エンタメ業界がおかしなエネルギーに乗っ取られる前の、

たのしく、美しく、時に悲しく、世知辛く、

人間や世界への洞察を、鋭くも、しかしおおらかに歌い上げる作品が多いから。

見ていて、気持ちがいいの。

素直に主人公に感情移入して、別の人生を疑似体験できる。

若いころのトム・ハンクスは、なかなかイケメンだった。

まだ少女の残り香が漂う、メグ・ライアンもいい感じ。

『めぐり逢えたら』を見ると、人類って昔からこうやって、

いろんなメッセージを受け取ってたんだな、って思う。

いろんなシーンに、しれっと紛れ込んでる伝言の数々に、

あなたなら気づけるはずよ。

最新作、『きっとそれは愛じゃない』もまた、そうした作品の一つ。

商業的にはあまり成功していないみたいだけれど、

筆者はまちがいなく名作のひとつと考えている。

人は、自分でやったと思っている。

特に上位層、一般の人よりも多くの権威や富や名声をもっていたり、

脳の物理配線や、運動能力や各種センスに恵まれていて、

各分野でそれをいかんなく発揮している人々は、

その優位性を、自分が優位に立つために使いたがる。

感謝の気持ちを持つ人たちは、ちょっとちがう。

自分を「水路」と考えているの。

それは、自分を通して行われただけだ、って。

自分はより大きななにかの一部であり、自分が行ったことは、

その「大いなるなにか」が成した自己表現=創作活動なんだ、って。

電車で席を譲ったら、「やさしが」が創出された。

さりげなく1冊の本を手渡したのなら、「愛」が表現された。

あなたが反応せず聞き流すことができたとき、「許し」が執り行われた。

こうした自覚を持つ人々は、スムーズに地球2.0へと移行していける。

人間ゆえ、ひきつづき凸凹はある。

損得も、愛憎も、ちぐはぐも、ドタバタも。

けれど、あなたは「愛の水路」。

人々に、なにかを運んでいく、大いなる悠久の流れ。

なにを運ぶかは、あなたが決めていい。

毎回でなくていいし、ときによどんだって問題ない。

けれど、それはあなたによって届けられる。

映画作品がそうであったように、あなた自身が『作品』なの。

あなたの生き方そのものが、「伝言」なのよ。

それは、ちゃんと伝わっているから大丈夫。

評価とか、称賛とか、いいねボタンなんて、関係ない。

個々のあなたが表現した貴重なメッセージの数々はね、

例外なく、ささいなものもすべて、失われることなく、永遠に、

「大いなる悠久の流れ」の中に刻み込まれていくのよ。

たとえば、あなたが通りで友達を見つけたので、

合図に右手を上げたとしましょう。

あなたに当たった光子の一部は反射され、友達の網膜に届く。

けど、別の一部は上の方にも反射され、大気圏を突き抜けていく。

光子に質量はないから、減速されることもなく、

「あなたが手を挙げた状態を写した光子たち」は、

光速を維持したまま宇宙空間を飛び続けるの。

なにか別の物質に当たって遮られないかぎり、永遠に。

この宇宙の中で、一度でも発された言葉は、永遠に消えない。

一度でも行われた行為は、決して失われない。

一度でも生きたことのある生は、死ぬことはない。

だれも見ていなくても、だれにも気づかれなくても、

だれからも評価されなくても、あなたは愛の水路。

あなたを通して、それはなされつづける。

それが、生きる、ということ。