『ヒミツ』第4巻44 ママ友2

2021.10.23 その他

44 ママ友2

疲弊してるとね、ママもまた「共鳴」を起こしちゃう。

そしたら、どういう家庭に変化していくか、想像つくでしょ?

パパの帰宅時間は、ひとつのバロメータ。

早く家に帰りたいって気持ちになるお父さんと、

できるだけ家には帰りたくないと考えているお父さんって、

心理状態の差もとりがちな行動の差もまた、容易に想像つくはず。

もちろん、パパの「共鳴」も問題にはなってはくるのだけれど、

こと子に関しては圧倒的に母子間の関係の方が濃厚なので、

お父さんの影響はあんまり考えなくていい。

子もね、疲れてるのよ。

ママが与えよう、与えようとばかりするもんだから、

受け取り疲れを起こしてるの。

原始時代を想像してみて。

皮衣を着て、焚火を起こし、洞穴の前で家族みんなで

丸くなってる場面とか。

食事は木の実や昆虫、まれに小動物のお肉。

味噌もバターもなければ、クリームもケチャップもない。

当然、トーマスのおもちゃんなて買ってもらえるわけもなく、

現代の基準でいうと、子たちは「貧困層の底辺中の底辺よりさらに下」って

環境で暮らしている。

さて、この子たちは、親の愛に飢えてる?

不健全な育ち方しかしない?

そんな環境しか用意してあげられない原始ママたちの愛情は、

現代ママより劣っているかしら?

現代のママたちはね、もうすでに100点満点よくできましたを取った後、

さらに120点を取ろうとか、さらには3,000点ウルトラ満点にしようとかで、

もがいてるのよ。

子たちはもう、健全な成長に必要なものは十分受け取り済み。

ただ、もっと受け取るとママが喜んでくれるので、

ママを喜ばせよう、喜ばせようとがまんしながら、

無理してもっと受け取ろうとしてるの。

親子で過剰な需給をぐるぐる回してる。

へとへとに疲れながら。

「共鳴」は、そうした子たちからの合図なの。

「ママ、もういらないよ。すでに十分だよ」

「ママ、休んでいいんだよ」

「ママ、もっと手を抜いて自分の時間をたのしんで」って。