48 卒業

2020.06.28 その他

48 卒業

これを読んでるということは、あなたは卒業間近。

ネタばらしを受けてるわけだから、

人間への転生は今回が最後の可能性がある。

だから、最終回にふさわしいあなたが選ばれたの。

フィナーレ用の、特別なあなた。

富や名声、美貌、権力、知能や記憶力。

ほんとうのあなたからすれば、そうした人間界で

重視される要素は取るに足らない。

あなたも、この猫の方が5mmヒゲが長くてすてきとかって話、

興味ないでしょ。

キャッツをたのしみたいのなら、葛藤や苦悩、せつない恋模様、

友情やライバル関係に磨かれていく主人公の成長過程といった、

ネコドラマの方に感情移入するんじゃないかしら。

あなたは、二人三脚でまさにそれをたのしんできた。

舞台はあなた。

最後の仕上げとして、あなたが選ばれたの。

この人の人生であれば、総仕上げにふさわしい体験ができる、って。

これまでの凸凹って、そのためにあったのよ。

あの失敗も、そのくよくよも、この落ち込みも。

そしてあなたは、十分よくやってきた。

予想以上にがんばった。

やはり、あなたを選んで正解だった。

おかげで、十分にたのしませてもらったし、十分に満足。

ここから先は、もうあなたの自由にしていい。

バトンタッチよ。

過去の話はもうおしまい。

これまでのことは、全部棚にあげていいのよ。

あなたには、むだな時間なんて1分も1秒もない。

他人に迷惑かけてもいい。

わがまましてもいい。

常識人じゃなくたって、よき妻よき母じゃなくたって。

今度は、あなたがたのしむ番なの。

やり残しがないように、ぜんぶやりきった、

最後の最後までフルフルたのしめたわ、

Thank youって言えるように。

そう思えるなら、両手を胸に当てて目をつむり、

「わたしは、残りの時間を全力でたのしみます。

最大限、目一杯たのしみます!」

って、心のなかで宣言してみて。

言いにくかったあんなこと、やりづらかったこんなことが、

少しずつできるようになっていくから。

やろうとする勇気が湧いてくる。

あなたは一人なんかじゃない。

切れてもいない。

あなたが勝手にそう思っていただけ。

二人三脚は、ずっと昔からつづいていたのよ。

実は、あなたが生まれる前の生でも、さらにその前のでも。

今日から、あなたのあたらしい人生がはじまる。

最後のごほうびタイムが、ここからスタートよ。